前職の話(18) オラオラ系にひるまない。
ありえない派遣の話は、私を元請に連行した人にもかなりありえないでしょ感を出していたので薄々感じてくれていたとは思うが、はっきりと会社として断って貰わなければならなかった。
この同業他社の人が来て、初めて打ち合わせがある事を知ったので、それを理由に出向社員のおっさんが現場まで社長に確認をしに行った。
本当は自分の給料が気になっていたので、その確認だろうと思った。
そのおっさんが会社に帰って来たのが、昼前で社長とほぼ同時に現場を出発したとの事だった。
社長は会社携帯が繋がらない事に気付いていなかったらしい。
私は会社で留守番中に、社長がいつ帰社予定かを尋ねる電話が取引先から入っていたのを対応した。
15:00から打ち合わせがあるため、それまでには帰社しますと伝えた。
帰って来たら電話が欲しいとの事だった。
15:00少し前に、派遣の話をしに出向先会社の取締役と同業他社の人が会社に来た。
応接室に通しコーヒーを出した。社長の帰りが遅れている事を伝えた。
その時、電話が鳴った。
折り返しの電話が15:00までに無かったため、再度かけて来たようだ。
私はまだ帰社していない事を伝えた。
10分経っても20分経っても帰って来ないため、仕方なく応接室へ謝りに行った。
そうすると別の会社の人が訪ねて来た。
見た目は昔ヤンチャしてました感を前面に出した、オラオラ系の現場作業員といったところだ。
ヤンキーとでもいうのか。
どうやら先程、電話をかけてきた会社の人達だった。
オラオラ系の口調で怖がらせるように喋り始めた。
話の内容は、月末(この日は金曜日)の最後の平日が支払い日で振り込みがされていないから社長と話がしたいとの事だった。
あ~だからわざとちょっと怖めのオラオラ系をよこしたんだなぁと内心冷めている私は合点がいった。
(私は理詰めで責めるタイプなので、こういった感情的に話をするタイプより冷酷だと自分で思っている。ヤンキーなんか怖くない。)
冷静に話を聞くと、支払い金額は160万位だそうだ。
相手も地場の中小企業だ、160万はデカイ。
そこで相手の1人が言った。
「あぁ、飛んだな。」
結局、うちの発注元の会社に直接行って代金回収の話をすると言われたので、勝手にすれば~と早く帰れと思いながら見送った。
実は法学部出身の私…これはいい時間稼ぎができたと思った。
まだ社長が飛んだとは思っておらず、現場からの帰り道で事故に遭ったのではないかと思う気持ちの方が大きかった。
純粋な私。(←アホ)